拳銃は最期の武器そのⅡ【テイザーの危険性】|tonbori堂四方山話-Web-tonbori堂アネックス

拳銃は最期の武器そのⅡ【テイザーの危険性】|tonbori堂四方山話

2008年6月17日火曜日

Gun News

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 Web-tonbori堂別館アネックス|拳銃は最期の武器の続き。ノンリーサルでもリーサルでも武器は武器という事をちょっとご説明。

ノンリーサルでもリーサルでも武器は武器。

 はてなダイアリーのARTIFACT@ハテナ系kanoseさんのエントリーのコメント欄にテイザーは危険というコメントがあった。

リンク|ピストルはなかなか当たらないし、威嚇射撃が安全なわけでもない - ARTIFACT@ハテナ系

テイザーで検索して出てくるコレの事だろう。

リンク|米テイザー、カナダ空港での死亡事故について「スタンガンは無実」 写真3枚 国際ニュース : AFPBB News

 テイザー側は無実だよといってるけれど死人が出ている事は事実のよう。確かに電撃を与えるわけだから心臓麻痺や、それ以外の後遺障害も全くの皆無とは言えなさそう。

テイザー銃
テイザー銃の写真|イメージ画像|出典はWikipediaより

 だがそれを言ってしまうと、武器はそういうリスクがあるわけでどっちにしろリスクコントロールは必要かなと思う。ちなみにスイスの警察に使用が承認されたことの記事だがアムネスティなどが危険性を指摘している。

連邦警察のテイザー・スタンガン使用を承認。 - swissinfo

 「アムネスティー・インターナショナル ( Amnesty International ) 」などの人権擁護機関は、引き続き危惧を表明し、「スイス難民評議会 ( The Swiss Refugee Council ) 」はスタンガンの使用は死亡事件の再発につながる可能性があると述べた。また、「スイス医療ネットワーク ( The Swiss Medical Association ) 」は、スタンガンがれっきとした武器であり、場合によっては致命的な武器となる可能性を強調している。=以上記事より=

 それとともに上の引用に出てきているスイス医療ネットワークのラゲンパス氏の発言も併せて引用しておく。

 また、ラゲンバス氏は、特殊な状況に対して適切な方法を選択する能力が警察にはあると信頼を表した。
「われわれは、スタンガンを過小評価しないことが大切だと言いたいのです。スタンガンはれっきとした武器であり、致命的な凶器にも成り得えます。しかし、それを知っていることが必要であり、それを頭に入れた上で使わなければならないのです」
とラゲンバス氏は語った。=以上記事より=

制圧とノンリーサルウェポン

 なるべくなら武器を使わない状況が望ましいが、使わなければならない状況では速やかに相手の動きを止めるための方法として、テイザーは考慮に値するという考えは変わらない。ただしその運用は慎重にしなければというのは武器として当然のことだと思うし、それはその他の武器でも同じことだと思う。例えば暴徒鎮圧に使われるゴム弾(ゴム製の弾を撃ちだす。ランチャーのような発射器が必要)も当たり所が悪ければ死亡するし大けがを負う事もある。それと同じだ。


 ちなみに下のコメントに弾種のことも上がっていたがホローポイントでは強力すぎるというのも分かるしメタルジャケットも貫通して危ないというのもある。これは小林宏明のGUN講座という本に書いてあったことだがアメリカのある経験豊富な銃器評論家によると『ホローポイント』が誰にとっても一番安全な弾だと言い、(理由はその拡張性(マッシュルーミング)によるストッピングパワーにより犯人の抵抗を封じることが出来、犯人からの危険が少なくなるとの事)またある人は貫通性の高い弾を、またある人は弾着時に砕ける弾といっているそうだ。

 だがこれらは著者の小林氏が述べているように、ちょっとかみ合わなくなってくる議論に発展する。以下文章を引用する。

銃を戦争で使うのか、警察官が凶悪犯に対抗するために使うのか、民間人が護身用に使うのか、でも違ってくるからです:チャプター3-2弾丸の威力:拡張性P104より
リンク:小林宏明のGUN講座―ミステリーが語る銃の世界 | 小林 宏明 |本 | 通販 | Amazon 

 ようはストッピングパワーが必要なのか、それとも付帯被害が出ないようにするのか、兆弾の問題などなど使用環境によって使う弾も威力も銃の種類も変わってくるということ。そこまで細かく考える必要はないという方もいるかもしれないがこの点は状況によって最適解は違うという事だ。例えば秋葉原の通り魔事件のような場合、アメリカのコロンバスのような銃撃事件のような事態に発展するのなら、制圧側も多弾数の銃器が必要だ。回転式拳銃6連発では心もとない。少なくともアメリカのような銃社会ではここ最近の刑事ドラマ、映画では軍用のベレッタや、グロッグなどの9ミリパラベラムを使う銃が主流になっている。


 これは工作精度が上がってセミオートマチックの故障率(薬莢が挟まるジャムという現象が代表的である)が下がってきたことに加え、ダブルカラム(並列)式のマガジン(弾倉)の普及により装弾数が増え一人当たりの火力が上がったことが上げられる事が多い。しかしながら日本はアメリカのような銃社会ではないので全警官にオートマチックを支給するほどの状況ではないと思う。但しTVでの立てこもり事件のニュース映像を見るとおそらく捜査一課特殊犯捜査係の要員と思しき隊員がセミオートのけん銃をもっている姿が時たま映ることもある。弾丸も執行実包はフルメタルジャケット(完全被甲弾)という記述があったがソースはどこにあるんだろうか。

ニューナンブM60 - Wikipedia

 ただ多数の歩行者などの第3者のいる場面ではアメリカでもテイザーの出番となる。もしくはショットシェル(拳銃弾サイズの散弾。小さな散弾を発射する。大きな怪我を負わない。元々は野外で使用する害獣駆除や撃退用)を使用するか。そう考えると秋葉原のケースを考えるとけん銃よりも、やっぱり高圧のエアで針(ニードル)を打ち出して電撃を与えるテイザーなら少なくとも第3者に当たる心配は無いなと思っていたら・・・こういう記事が。

国際時事新聞: 警官のとんだ射撃術 容疑者の子と自身に当たる

 訓練はちゃんとしないと、結局けん銃だろうがテイザーだろうが役には立たない。つまるところ使う人間による部分が大きいということだ。それと武器は武器という認識を持たないと。道具ではあるが取り扱いに繊細な注意を払うべき危険なツールという事だ。


 ちなみにこれは余談になるが、拳銃よりもライフルの方が良くあたる論はストックの有無によるところが大きいと思う。tonbori堂もコメントしておられる方と同じくハワイで射撃をしたことがあるが、ライフルの場合ストックを肩につけてほおを銃床にのせて、しっかり照準するとけん銃よりも驚くほど当たった覚えがある。ちなみにライフルは.22LRの反動の少ないモデルだったが9㎜パラベラムのピストルよりもよく当たった。なので銃は手で握るだけだけど、そこにストックが付くだけでも命中率違うのかは気になる部分である。例えばモーゼルミリタリーC96とか、ベレッタM93Rとか。

Beretta 93R/Wikipedia/Author-https://www.flickr.com/photos/143457098@N07/45356979132/in/dateposted-public/, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=73702482による

 個人的感想を言えばエアーソフトガン(MGC)の93Rではストック付きの方が当たったがサバイバルゲームでは(ハンドガン縛りのゲーム)ブッシュ(藪)での取り回しは悪かった。でも確かに照準は安定するのでストック分が邪魔になるかどうかが分かれ目になる。ここもその使用状況によってケースバイケースという事だろう。そういえば冒険小説の名作『深夜プラス1』でも主人公がストック付きのモーゼルだと答えると、にわか仕立ての相棒であるプロのガンマンがあきれる描写がある。

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 それは銃が大きく、取り回しが不便で、狭い場所で素早く反撃する場合に不利とガンマンは考えているからだ。しかしモーゼルのように大火力と多弾数をいかせる場面であれば一人でも多人数を相手に出来るし、遠くの敵を倒すことも不可能ではない。ようは道具の長所を活かす使い方をすれば良いという事だ。

モーゼルC96 - Wikipedia

ベレッタM93R - Wikipedia

追記:旧Web-tonbori堂アネックスにて2008年6月に公開したエントリ。少しだけ追記しています。

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