ジョン・ウィック・スピンオフが切り拓く新たな殺し屋ファンタジー:『バレリーナ:The World of John Wick』感想【ネタバレ】-Web-tonbori堂アネックス

ジョン・ウィック・スピンオフが切り拓く新たな殺し屋ファンタジー:『バレリーナ:The World of John Wick』感想【ネタバレ】

2025年9月13日土曜日

crime movie

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  『バレリーナ』を観てきました!一言で言うと――アナ・デ・アルマスのアクションが凄い。ノーマンの出番は少なめで(そこ?)、下手するとジョン・ウィック役のキアヌ・リーブスより短い印象すらありましたが、それでも存在感は抜群でした。もう少し登場シーンが長かったらなあと少し思ったのですがこの作品はアナ演じるイブの物語、このぐらいがちょうどいいのかもしれません(笑)

 ストーリー自体はシンプルですが、『ジョン・ウィック』シリーズで積み上げてきた下地があるおかげで、最初から全開で楽しめます。「出し惜しみなし!」という印象で、ファンとしては大満足。正直、これだけで十分に続編が作れそうだと感じました。以下、映画『バレリーナ』の感想をポイントごとに整理してみます。

『バレリーナ:The World of John Wick』60秒予告【8月22日公開】/キノフィルムズ/YouTube


※このエントリはChat-GTPとGoogleのGeminiでBlueskyのポストと幾つかのワードを足して生成したものを加筆修正したものです。


『バレリーナ』観た!ノーマン出番少ない(そこ?)下手するとキアヌより(そこ?)アナ頑張ってた。話は単純だがこれまでのJWの下地があるので最初っから盛り盛りでした。出し惜しみは無しだぜ感があった。全然続編作れそうなんだが、JWワールドは他にもタレント多いしなんなら新人抜擢も出来そうな世界だから。まずはド兄さんのケインの物柄をちゃんと形にして下さいm(_ _)m

— tonbori堂 (@tonborido.bsky.social) 2025年8月31日 16:53

1. コンチネンタルホテルと主席連合が作る「殺し屋ファンタジー」

 『バレリーナ』を語る上でというかFrom the World of John Wick(ジョン・ウィックの世界)を語る上で欠かせないのが、やはりコンチネンタルホテルと主席連合(ハイテーブル)というシステムです。ジョン・ウィックの世界が単なるクライムアクションで終わらないのは、そこに「コンチネンタルホテル」と「主席連合」という、極めてファンタジックなシステムが存在するからです。

 コンチネンタルホテルは、殺し屋たちのための聖域として機能し、内部での殺しは固く禁じられています。武器の調達から情報収集、そして束の間の休息まで、あらゆるサービスが提供されるこの場所は、殺伐とした裏社会における唯一の中立地帯です。一方、主席連合は、この裏社会全体を統べる絶対的な権力機構であり、その掟は誰もが遵守しなければならない鉄のルールです。

これらのシステムは、現実の裏社会とはかけ離れた、ある種の「異世界」を構築しています。殺し屋たちは独自の通貨(金貨)を用い、専門のコンシェルジュやソムリエ(武器調達人)の助けを借り、厳格なルールの中で生きているのです。この徹底した世界観の構築こそが、観客を「殺し屋ファンタジー」へと没入させる強力な装置として機能しています。『バレリーナ』においても、このシステムは健在であり、主人公イブもまた、この世界のルールの中で復讐を果たそうとします。この盤石な基盤があるからこそ、私たちは荒唐無稽とも思えるアクションを、一つの確立されたファンタジーとして受け入れ、楽しむことができるのです。スピンオフである本作も、このルールに守られている安心感があり、シリーズファンなら一気に物語に入り込めるはずです。


2. タチアナの意外な道と「ルスカ・ロマ」

 『ジョン・ウィック:パラベラム』で描かれた、バレエと暗殺術を融合させた過酷な訓練施設を有する組織「ルスカ・ロマ」。『バレリーナ』の主人公イブも、父を殺された後、ウィンストンに誘われ、ルスカ・ロマの家族となり、この組織で育てられました。そこでは、少女たちは人間性を剥奪され、ただひたすらに殺人マシンとなるべく鍛え上げられます。

 物語前半で、イブと共に訓練を受けていたタチアナはバレエの才能はあるものの格闘、射撃には順応出来ないでいましたが、ある日突然姿を消してしまいます。ディレクターは彼女には才能が無かったとイブに告げます。過酷な訓練についていけず脱落した者は、組織によって売られるか、あるいは「処分」されるのが今までの同様な映画の常でした。事実、イブが最終試験で対峙させられたのは、元ルスカ・ロマの殺し屋でした。机を挟んで向かい合い、生き残りをかけて分解されたグロックを組み立て殺し合うという非情なシークエンスは、この組織の異常性を象徴しています。

 誰もがタチアナも同じ運命を辿ったのだろうと思っていたでしょう。しかし、物語の中盤で明かされる彼女の真実には驚かされました。彼女は組織から脱落したのではなく、その類稀なるバレエの才能を認められ、表舞台のダンサーとして生きていたのです。この事実は、ルスカ・ロマという組織が、単なる暗殺者養成所ではない、多層的な側面を持っていることを示唆しており、物語に意外な奥行きを与えています。過酷な運命から自らの才能で道を切り開いたタチアナの存在は、イブの復讐譚と鮮やかなコントラストを描き、印象に残るものとなりました。


3. イブの復讐譚と因習村的な描写

 『バレリーナ』の物語の核は、主人公イブの復讐譚です。イブの復讐の物語は、単なる個人的な恨みにとどまりません。彼女が対峙するのは、ある閉鎖的な教団、あるいは村全体がその一味となっているような巨大な共同体です。これは、日本のホラー作品などでよく描かれる「因習村」の構造を彷彿とさせます。

 村全体が特定の思想や掟で固く結びつき、外部の人間を拒絶し、内部の裏切り者を決して許さない。そんな閉鎖的なコミュニティの中で、イブはたった一人で戦いを挑むことになります。敵は特定の個人ではなく、村そのもの、共同体全体なのです。この設定は、彼女の孤独と絶望感を際立たせると同時に、物語に独特の湿っぽさと不気味さをもたらしています。外部からはうかがい知ることのできない独自のルールと価値観で動く敵との戦いは、物理的な強さだけでなく、精神的な強さをも問われる過酷なものとなるのです。さらに、引き離された姉との再会という定番的な展開もありますが、それがしっかりとイブの復讐心を加速させる装置になっていました。

4. ジョン・ウィックの登場は少なくても圧倒的

 多くの人が気になるであろうジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)の登場。出番は多くありませんが、やはり彼が現れるだけで場が引き締まります。ただし、疑問点も残りました。なぜディレクターはウィックをイブのもとへ向かわせたのか? これまでの彼の行動を知っている者なら彼がイブを処分するようには見えず、その理由が少し曖昧に感じました。もちろんウィックがパラベラムとコンセクエンスの間で懸賞金がかけられ主席連合からも狙われている状況なので要求を受け入れざるを得ない感じではあるんですが…。

5. 『ジョン・ウィック』ユニバースの未来

 それでも『バレリーナ』は、スピンオフとして十分な手応えを感じさせる作品でした。

  ジョン・ウィックがいなくても、コンチネンタルや主席連合といった世界観を利用して、新しいキャラクターをどんどん生み出せるポテンシャルがあります。

 特に期待したいのは――ドニー・イェン演じる盲目の殺し屋・ケインのスピンオフ。彼の物語をしっかり描けば、ユニバースはさらに広がるはず。加えて、新しい才能の抜擢にも期待したいところです。


最後に

 映画『バレリーナ』は、シンプルな復讐譚ながらも、アナ・デ・アルマスのアクションと『ジョン・ウィック』ユニバースの世界観によって一気に引き込まれる一作でした。ジョン・ウィックの存在感は健在ですが、彼に頼らずともシリーズを広げられる余地が十分にあるのが最大の収穫でした。『バレリーナ』映画感想をひとことで言うなら――「ジョン・ウィック・スピンオフはまだまだこれからだぜ!」。この先もワールドをいい感じに作り上げて欲しいですね。そのためにはまず『バレリーナ:The World of John Wick』を楽しんで欲しいと思います。


※この機に『ジョン・ウィック』シリーズを振り返るのもよいかもしれません。

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