「三つのしもべとカプセル怪獣計画/惑星オリュンポスの機械神たち」｜ファイブスター物語/FSS月刊NT2020.8月号連載分：感想｜【ネタバレ注意】

　タイトルは「三つのしもべ」としましたが月刊ニュータイプ2020年8月号連載ファイブスター物語/FSSに登場したラキシスのオペラスーツの宝石の数からしたら、先のDESIGNSによればまだまだしもべはまだ一杯いるし（といってもゴリリダルリハは対等にみたいな記述あったしマニウもラキの保護者っぽさが）ラキシスガードであるスイレーや、マドラ、ベルベットも言ってしまうと彼女のしもべと言ってもいいかもしれません。ですが宝石から登場というのはウルトラセブンに出てきたカプセル怪獣をも想起させるので今回は其の辺りの事を書いてみようかなと。（奇しくもカプセル怪獣もウルトラセブンで登場したのが3体なのです。ウルトラマンレオではセブンガーというロボット？もありましたけども。）で、ラキシスの三つのしもべと言えばやっぱり「式神オフェロス・ビュランコート」「クフィル・インペリュン」「マンティコア」の惑星オリンポスの自己進化機械生命体たちかなと思うのです。そして彼らは横山光輝先生の『バビル二世』に出てくる彼の守護者たる「三つのしもべ」と呼応してるのでは？って事からまずは行ってみましょうか。

月刊NT2020.8月号/KADOKAWA刊（リンクはAmazon）/式神オフェロス登場回

三つのしもべ

　古来３という数字は日本では好まれる数字のようですし、アジアでも中国では幸運の数字とされているとか…とは全て聞きかじりの話ですが西遊記のお供も3人ですしそういったところから三つのしもべが来ているかどうかは分かりませんが（ヲイヲイ）惑星オリンポスの最高神にもなっている「式神オフェロス・ビュランコート」そしてクフィル・インペリューン、マンティコア。マンティコアは陸神、クフィルは空神、オフェロスは式神（最高神ともありますが）となればやっぱり『バビル二世』のしもべたちにひっかけてるのかもと考えてしまうのです。

陸神マンティコア≠海神ポセイドン

　マンティコアが陸の神なら対応するのはやはり海のポセイドンかなと。ただポセイドンは三つのしもべの中でも最強パワーを持つロボットなので式神オフェロスとも対応するところがあるんですがやっぱり見た目のパワーファイターって感じでポセイドンはマンティコアっぽさがあります。

空神クフィル・インペリューン≠怪鳥ロプロス

　これは捻りなしでしたね(笑)ただデザイン的にはクフィル・インペリューンはニュータイプのダンバイン特集が初出でした（すっかり忘れていたんですがTwitterのフォロワーさんに教えて頂きました）永野護的オーラバトラー、どちらかといえばガラバやブブリィといったオーラ・ファイターやオーラ・ボンバーの火力を併せ持つ最強オーラ・バトラーとしてデザインされたように思います。これは1986永野護カレンダーに収録され、トイズプレスより2002年に再発されたカレンダーブックにも掲載されていました。（表紙はMTT外神デモンの頭部）その姿はバイオメカニクスとでもいうべきシルエットで、今回もその姿が同じく永野護デザインのモビルスーツ、ハンブラビと比較されていましたね。大きく伸びたスタビライザー？（尻尾）と二対の翼、ハンブラビは鳥の翼のように前進翼っぽさがありますがクフィルはデルタ翼にちかいシルエットという違いはありますが。

　ちなみにクフィルというとエリア88おじさんとしてはイスラエルの戦闘機クフィルを思い出します。マッハ級のスピードとデルタ翼の安定性を持つ高性能戦闘機で開発ベースとなったのはフランスの「ミラージュ」戦闘機なんです(笑)まあつながりはないと思いますけど偶然の一致とするにはいささかという話ではあります。

式神オフェロス・ビュランコート≠ロデム

　まあこの組み合わせは残ったものですからそれぞれ共通項はありません。オフェロスは最高神でありその力が強大が故に懐園剣とラキシスの腰の宝石とに分けて格納（封印）されているとか、ほぼ魔王のようです(笑)今回も機械のドラゴンの姿で登場し完全に神様の物言いでしたし。一方のロデムはバビル二世の従者であり相談相手であり盾でもあります。ああビュランコートも最強のラキシスガードナーですからそこは共通点ありますね。（ラキシスの盾）あと式神というのはいわゆる使い魔であるのでそういう部分もロデムはバビル二世の使い魔的立ち位置ですから共通項と見る事が出来るかもしれません。（ちょっと苦しいか）

　ですがロデム、三つのしもべの中では言葉を話せるのでコミュニケーションが取りやすい。マンティコアもクフィルも喋らないけどオフェロスは喋るし…（かなり苦しい）とは言え三者三葉で面白いところです。それに（ここ重要）シルヴィスがオフェロスはその時々で姿が変わるということで…。そうロデムは色んな姿になるのです。やっぱりオフェロスはロデム(笑)

ラキシスガードナー/永野護的カプセル怪獣計画

　三つのしもべ以外にもラキシスのしもべたちはいて（なんせ29個の宝石ぜんぶに仕込まれているという。まさにカプセル怪獣！っていう気も(笑)）その中にはゴリリダルリハとかマニウとか。特にゴリリダルリハはこの件でやり合っているのに何故か色々あって（多分スタント遊星攻防戦とかもかかわってる？）ラキシスガードナーになっているとか。マニウは我らの天の川銀河の神ということでそれはラキシスの放浪の旅の末に地球に（第二次世界大戦時のベルリン攻防戦）来訪するというのは年表に書いてありますがその時に知己を得たのか？それとも別の世界？とか。他にも聞きなれない名前もあったりとまだまだ仕込んであるのは沢山あるんですが、やっぱり惑星オリンポスの３つのしもべたちは初期からデザインが発表さされているのでこうやって出てくると感慨深いものがあります。

　その大元がバビル二世からとしてもやっぱりそのまた元の西遊記のお供の3人もあるのかなとも。（孫悟空、沙悟浄、猪八戒）基本的に孫悟空だけがその戦闘力でクローズアップされがちですが沙悟浄、猪八戒ともに天界ではそれなりの地位にいた実力者であったわけですから。その事で言えばオリンポスの三つのしもべは西遊記の3人のお供に近い？（これも苦しいか(笑)）ファイブスター物語は古今東西のおとぎ話、神話のモチーフが入っているのは先刻ご承知でそこからクリス（永野護）のそれを越える「三つのしもべ」や最強のロボット、主人公が創造されているんですよね。そうそうウルトラセブンのカプセル怪獣も登場しているのは3体です。（カプセル自体はそれより多かった）ミクラス、ウインダム、アギラなんですが、うーんミクラスがマンティコアならウインダムはクフィル、アギラはオフェロス・ビュランコート？実はアギラ3体の中で一番地味と称されています。インパクトで言うと1回観ると忘れ得ぬミクラスやウインダムと違い怪獣然とした姿。でもアギラの姿…実はすえぞうっぽいんですよ(笑)なので機神L.E.Dっぽい格好で出てきたオフェロス…あり得るか（これも苦しい(笑)。

　しかしここに来てしもべが宝石からポンポン出てくるとTwitterでフォロワーさんがシルヴィスの台詞はCOVID-19禍での「コロナ退散」に置き換えているというつぶやきを見て、（これはクリス（永野護）本人もDESIGNSで言及しています）ああこれはもしかすると永野護的カプセル怪獣計画かもと思ったのです。カプセル怪獣計画は映画監督の樋口真嗣氏が呼びかけでみんながカプセル怪獣をリレーしてコロナをやっつけよう（ステイホーム応援）という企画です。そこからスピンオフして映画監督の岩井俊二氏が配信作品（追加と再編集で長編映画も製作）として「8日で死んだ怪獣の12日の物語 」も作られました。それに近いものを感じました。もちろん話としてCOVID-19が無くてもこの展開だったでしょうけど奇しくもそういうシンクロニシティが起こった。そう思っています。

でも最強としてL.E.Dドラゴンを模して登場したと考えれば式神オフェロス、その力はZ.A.P級？（クリス(永野護）のことだからオフェロスとどっちが強いですかと聞けばそりゃ最強はZ.A.Pだよと言うしょうけど(笑)）となればどのくらいの力を見せてくれるのか？来月号も楽しみです。

追記：2020.07.30　タイトルに「惑星オリュンポスの機械神たち」を加えました。

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