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『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』第5話で気になった件【ネタバレ】|tonbori堂ドラマ語り

2017年5月10日水曜日

drama

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CRISIS公安機動捜査隊特捜班/ロゴはイメージです
CRISIS公安機動捜査隊特捜班/ロゴはイメージです

 今回は政治家を強請る暴力団への潜入捜査から展開していきました。小栗旬演じる稲見がターゲットである杉本哲太演じる暴力団幹部、沢田(澤田かなとかってに思っていましたが公式サイトでは沢田でした)に留置場で接触。古典的ですが同郷を装い接近する事に成功した稲見。数日後に沢田に仕事の斡旋を頼みます。当然組織に入り込むためです。目的は強請の証拠が入っているPCのデータ消去もしくはPCの奪取。しかし思いのほかガードが高くPCに近づく事は叶いません。沢田と接触するうちにこの組織、ガードはしっかりしているが、狡知長けた感触はないため稲見はこの任務の裏に何かあるのでは疑念を持ちます。吉永班長にそれとなく背景を調べてもらうように依頼するものの大きな麻薬取引の情報が入って事態が動き出しました。稲見からの情報を受け、取引現場を抑えれば芋づる式にPCも抑えられると思い待機する特捜班の面々。しかし取引直前で摘発は見送られる事に。稲見の身を案じた特捜班はそのまま監視を続行しますが尾行を妨害され稲見たちの車列を見失います。果たしてこの一件の裏には何が?というあらすじでした。

今回は『潜入捜査』

 結末までいってしまうと沢田の属する仁愛工業(これも仁愛興業かなと勝手に当てはめていましたが公式のあらすじには仁愛工業になっていました)は、ある企業と政治家の裏金つくりのための違法薬物取引の実売を担っていたのですが、さらなる取引拡大を狙い、別の組織との取引を行おうとしており、警察に眼を付けられ、スキャンダルに発展する前に彼らを排除することに。


 別の暴力団のヒットマンをつかって取引を襲撃させ仁愛工業の幹部は皆殺しにあい稲見はヒットマンを倒しましたが、沢田は息を引き取りました。組織の論理に押しつぶされた一人の人間、当然真っ白な人間ではありませんが、それでもほんのちょっと触れ合った人を目の前で殺された稲見は何を信じるべきか分からなくなってしまい、鍛冶警備局長に問いかけます。『権力に逆らったら俺も殺しますか?』と。翌日、すべての指示を出していた官房長官(第2回で少女買春をして少女を意識不明の重体にしてしまった、あの官房長官です。)の買春容疑での連行がメディアを賑わしいました。この展開に、スッキリ、スカッと(これは同じフジのバラエティ『スカッとジャパン』にひっかけてTwitterでも言ってた方多かったですね)いう方も多いようですが果たしてそうでしょうか?

その男に騙されるな。

 これはNHKで放送された『CRISIS』にネタが近い『外事警察』というドラマのキャッチコピーです。前回は恩を売ったように見えますが、今回、長塚京三演じる鍛冶局長はあっさりと官房長官を切りました。


 当然、組織防衛ということもあったけれど、情報というものが武器になるならば、前回の事件時にこちらが借りを作ったと勘違いをして、さらに今回の事件の尻拭いをさせようとした官房長官に対し、既にその周りの情報を握った事で、官房長官の現状でのプライオリティが下がったという見方も出来ます。つまり官房長官一人のスキャンダルだけではなく、政府のある程度の政治家、そして企業も吹っ飛ばせる爆弾を手に入れたことにより、いざとなればそれを破裂させるもさせないのもこちらの胸先三寸というデモンストレーションでもあったと見ることが出来るのです。


 まさに情報戦という感じで、鍛冶という人物、単純な正義感で官房長官の買春を告発したわけではないという気がします。『相棒』の小野田官房長にも近いものを感じますね。大を生かすために小を切ることも出来る。当然、犯罪行為を揉みつぶすこともあるがこちらがコントロール出来ないのであれば、告発もするという具合に。まだ鍛冶の腹の内は分かりませんが単純な人物ではないように思います。ただ放送第2回のもみ消しの時に官房長官の就任ニュースを聞いて椅子を叩いていたので正義の火は若干お持ちにはなっているのかな?という気はしますが。

潜入捜査/アンダーカバー

 それとともに今回の目玉はやはり潜入捜査でしょう。ボディチェックや接触など、潜入捜査は捜査官の身分がバレれば非常に危険。尚且つ張り詰めた緊張感で一触即発な空気をはらむなど観ているこちらもハラハラドキドキします。前回もちょっと触れましたが特捜班田丸役、西島秀俊は香港映画『インファナル・アフェア』をリメイクした『ダブルフェイス』に主演しており、稲見からの街頭などの報告シーンではどうしても『ダブルフェイス』を思い出してしまいます。

 この『ダブルフェイス』現在TBSで放送中の『小さな巨人』の捜査一課長役で出演している香川照之さんも出演しているので『MOZU』も思い出してしまうというカオスな状況に。『小さな巨人』の主演、長谷川博己は『MOZU』で東という公安崩れのエージェントを演じていましたが、それより彼の発した台詞「チャオ」で知られています。このクールで局枠を飛び越えてコラボあったら面白いでしょうね。もっともCRISISは撮り終えてのいるそうなので実現無さそうですが。ちょっと外れてしまいましたが稲見が田丸に潜入捜査官の気持ちを問い、それに答える田丸は完全に『ダブルフェイス』の森屋(西島秀俊の役名)を重ねていた人は多かったと思います。

アウトレイジ

 今回の一件、組織同士のすりつぶし合いというのはちょっと北野武監督の『アウトレイジ』めいた展開でもあります。権力というよりは単純に力をもった者たちのすりつぶし合いですが。杉本哲太が暴力団幹部を演じていたのと、不意の暴力シーンが『アウトレイジ』を強く意識しているようにも見えました。稲見も暴力に身を置いていた人物。『アウトレイジ』の大友のようになるのかも知れないとふと思いました。何せ『BORDER』で小栗旬演じる石川に踏み越えさせた金城一紀脚本ですから油断は出来ません。

来週は

 11年前の地下鉄テロとか、これは初回にもあったあのオウム真理教を想起させる事件関連かもしれません。となると田丸のターン。石田ゆり子演じる教団内部のS(スパイ)の妻の姿は予告には映っていませんでしたがそっちの方も何か動き出しそうですね。そして嶋田久作さんが映っておられました。警察上層部の役だろうなと思っていましたが公式サイトのあらすじによると警視総監役だそうで。鍛冶局長は警察庁の人間で、警視総監は警視庁のトップ。ここも『相棒』でもたまに出てくる警察庁の警視庁のつばぜり合いが描写されるかもしれません。来週も楽しみです。

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